創業70年以上の清修庵が考える従業員とお客様の双方に向けたDX
- 発注業務の属人化
- 統一オペレーションによる効率化
- サービス向上
株式会社清修庵 代表取締役 社長 森 大生様
- サービスHANZO 自動発注
- 課題業務効率化 | 属人性解消
- 業態うどん・そば
- 店舗数1〜20
目次
事業内容とイントロダクション
株式会社清修庵は京都の有名観光地や関西各地の商業施設を中心に、手造り豆冨とそば料理を提供する飲食店「清修庵」を展開しています。今回、「HANZO 自動発注」の導入背景や従業員が働きやすい環境づくりに対する思いをお伺いしました。
※2024年6月時点の情報です
飲食業界が直面する原価高騰と人手不足
現在の経営課題とは?
現在の原価高騰の波は著しく、やはり注視はしています。メニューの原価計算は半年に1回は行って目を光らせていますし、食材ロスも、防げるロスはきちんと対応していくものだと強く感じています。特に食材の保管については場所を広げてしまうと、そのスペースにまた在庫をいれてしまっていっぱいになり、また広げる、といった繰り返しになります。自身も店舗業務を経験したからこそ、食材ごとに定位置管理を徹底的に行って発注も最適量で行うように、と指導はしていますが思っているようにはいかないこともありますね。
また人手不足には本当に課題感が強いです。創業してしばらくは残業や休日の取得について整っていないことも間々ありました。自分も1店舗目の店長として働いていたときは必死で、休みがない状態だったことを覚えています。ただそこから店舗を拡大して、複数店舗を運営していく企業になっていくと考えたときに、人を大事にしなければならないという思いが強かったので、休日取得の徹底や賃金体系、キャリアアッププランの作成などさまざまな働き方に関する運営方針の改革に取り組み続けてきました。その中でコロナ禍に入り、売上減少や従業員の離職も多く、大きな打撃がありました。
そこでお客様に喜んでもらえるお店作りをしたいと改めて立ち返ったときに、従業員をしっかり教育して、積み重ねで一生懸命対応していくことで、ブランドの価値が高まり、最終的に売上の増加や店舗の拡大につながると考えたんです。
そこで「HANZO 自動発注」を知って、時間のかかっていた発注を自動化することで従業員の働き方や教育を効率化できると思い導入に至りました。
従業員とお客様双方に向けたDX
当社の規模で言えば、やれるDXはできる限りやっているとは思っています。予算が限られているので、まだやりたくてもできていないことはありますが、店舗運営のDXは前々から売上管理システムを導入するなど着手はしています。今回の「HANZO 自動発注」の導入にも言えますが、元々アナログに行われていたことをシステムに置き換えて、いわゆる「どんぶり勘定」ではなく数字で考えられる社員にもしていきたいですし、データ化することで最終的には省人化にもなり、働き方も変わると思っています。
一方で、DXの軸としてはお客様が快適な時間を店舗で過ごせるような環境にしていく、というところも意識しています。さまざまな管理に必要な時間を効率化することで、お客様へのサービスに時間を使いたいです。
導入を決めたポイントは?
他の飲食店の方にもみられる傾向なのではないかと思うのですが、発注は勘と経験でやることが多いので、本当に無駄が多いなと感じます。ですので「HANZO 自動発注」を知らない時期にも、発注に時間を要さないような仕組みを色々考えてはいました。要は発注って在庫の足し算と引き算で、在庫の一定量を決めてしまえば店舗にいるアルバイトやパートの方でもできると思っていましたが、店長が休日でも発注が心配で確認していることなどが散見している時期もありました。店長に毎月全体的な研修を行っている中で、発注についても指導していた甲斐もあって、徐々に店長がパート・アルバイトに任せるという認識もある一定は生まれましたが、「HANZO 自動発注」を知って、その手間すらもなくなることに大きな意義を感じました。発注業務に1時間、忙しい時は1時間半程度かかっていることもあったので、全店同じように時間を減らせたら省人化はもちろんですし、発注忘れもなくなります。また無駄がない発注で食材費の減少効果も見込めますよね。その時間を安定した休憩時間の取得やサービスのオペレーションに集中していきたいと考えています。
今後に向けて
今後もお客様に「満足」「感動」してもらえるおもてなしを追求していくとともに、従業員全員の幸せと誇りの持てる企業を目指しています。
飲食店はさまざまな業務が折り重なって成り立っているので、従業員の働きやすさのためにDXを含めて考えていくとともに、よりよいサービスの提供によってお客様に居心地のよい空間をつくることに邁進していきたいと思います。
現場のお声
オペレーションの統一を目指す
最近、エリアマネージャー制度を廃止して、運営支援部門による直接統括を行うという方針に切り替えて、さまざまなサポートをしています。店舗教育において、時流に合わせてさまざまな側面で見直しの必要性があることを感じていたので、直接指導しながら業務の単純化を目指します。
地域によって人員を募集した時の集まり方が違うので、店舗を任せられる人材が十分にいるかというとそうでもなく、チェーン展開しているにあたって業務の統一と店舗運営の教育は運営支援部門の課題のひとつです。
例えば「お客様のために最良のサービスを提供する」という考えのもとに、各店舗ではそれぞれおもてなしを精一杯行っていますが、その中で麺や出汁の温冷の変更を承る場合があります。その対応はお客様にとっての最良を提供するためにいいことではあるのですが、メニューに書いていないなどの課題はあり、店舗によって対応する・しない場合があるなど現場が混乱することが問題なので、業態全体で統一を図りたいと思っています。
自身の経歴としては店長やエリアマネージャーも経験しており、オペレーションは熟知しているため、そういったさまざまな側面で統一にあたって本部と店舗の間に立ち対応していっています。
それぞれの立場で感じる発注の負担
導入前の発注課題とは
発注はとにかく時間がかかること、人により軸となる指標が違うといった課題があるというのが正直なところです。発注の指標にする軸は大きく分けて2パターンで、勘や経験を軸にするのと、売上や在庫の情報を手計算して出した数量を軸にするパターンです。
発注のベースとなるオーダー表というものを作成していて、計算手法を指導した上で3ヶ月に一回程度で食材の使用量と売上を入れた上で食材ごとの計算式を組んだ発注量のベースを作成しています。ただそれでも肌で感じる部分に頼ることは往々にあります。長く勤務しているからこそ培われる天気やイベントなどの影響で変化する売上増減の感覚は、今までのアナログな発注方式では必要だと思っていました。ただ感覚を教育することは大変難しい。さらにコロナ禍を経て、人の入れ替わりも大きくあったりして、体系化されていた方が覚えやすいのは事実かなと思いました。
対応する店長の方々ももちろん大変だとは思いますが、業務を指導する私たちからしても、各店舗の発注状況を常に感じ取って管理することに難しさを感じていました。扱うメニューも多少店舗ごとに異なりますし、客層も違います。ショッピングモールの店舗はお子様メニューが多く売れますが、観光地店舗では日本をより感じられる特別なメニューが出ます。各店の発注を遠隔で確認する場合でも、在庫の写真をとって時間ごとに変化していく売上を都度確認したりと労力がかかっていました。さらには在庫過多の状況もあったので、改善していく必要は往々にありました。今後は「HANZO 自動発注」上で各店舗の状況を把握できることでそういった手間や無駄も省けると思っています。
先行利用店舗で感じる効果
現在先行して利用している店舗の一部では、元々発注に1時間程度かかっていたところが10分程度に短縮されました。「HANZO 自動発注」が需要予測をもとに算出した発注数量には納品リードタイムや仕入先の定休日も加味されているので、今まで手計算で行っていた様々な計算をする必要がなくなり、発注するタイミングのミスもなくなっています。
また元々発注担当者ではなかった人に頼んで発注を完了できたということもあったので、誰でも発注ができるようになる未来が見えてきたように思えます。
「HANZO 自動発注」の導入で時間が効率化されたら、教育や店舗でのミーティングなどにできるだけ時間を使っていけると思っており、導入は大変有意義だと感じています。