HANZO 自動発注

串カツ田中の社長/営業/店舗に聞く!発注自動化までのリアル

株式会社串カツ田中ホールディングスでは店舗の生産性向上を目指し、「HANZO 自動発注」を2021年から導入していただいています。導入時の思いの振り返りと、DX対応の難しさ、活用方針をご紹介します。 ※2024年7月時点の情報です
課題
  • 人手不足
  • 発注業務の属人化
効果
  • 生産性向上
  • 発注自動化による業務効率化
株式会社串カツ田中ホールディングス

株式会社串カツ田中ホールディングス 代表取締役社長 CEO 坂本 壽男様


  • サービスHANZO 自動発注
  • 課題業務効率化 | 人手不足対策
  • 業態居酒屋
  • 店舗数101以上

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◾️事業内容とイントロダクション

株式会社串カツ田中ホールディングスでは店舗の生産性向上を目指し、「HANZO 自動発注」を2021年から導入していただいています。導入時の思いの振り返りと、DX対応の難しさ、活用方針をご紹介します。
同社は「串カツ田中」を320店舗展開、その他新業態である「鳥玉」、「くるとん」の開発・育成を進めるなど、海外展開や新規事業への取り組みで持続的な成長を目指しています。今回は代表取締役社長 CEO 坂本 壽男様、導入プロジェクトのご対応をしていただいていた株式会社串カツ田中 取締役 織田 辰矢様、「HANZO 自動発注」を実際に店舗で利用している店長の加藤 未来様と複数店舗の統括責任者である営業本部 東日本営業部 第2直営課 ゼネラルマネージャー 井口 喜人様、それぞれの立場から見る発注自動化までの道のりについてお話をお伺いしました。
※2024年7月時点の情報です。

◾️トップが語るDX推進の背景と今後

今の外食業界が抱える課題への経営対応

「2024年問題」による物流課題も話題ですが、串カツ田中では2024年3月から全国5拠点に提携物流センターを据えました。今まで店舗へ日に4回程度、お酒や野菜など種別ごとに納品されていました。以前から納品回数が多いことによる手間やコストが「もったいない」という気持ちがあり、メーカーから物流センターに食材を納品、そこから店舗へ日に1台・1回の納品とし、物流コストとCO2の両面を削減しています。ただそれによる店舗のデメリットとして、以前まで毎日納品に対応した需要の予測と発注を行っていたのですが、翌々日まで含めての計算となり、予測の難易度が高まります。それこそ、発注から納品にかかる日数などを加味してくれる「HANZO 自動発注」に助けられています。

採用強化と離職率低下に向かうために生産性向上が重要

串カツ田中は1,000店舗の出店を目指している中で、資金や物件はどうにかするにしてもやはり「人手不足」の問題は大きいです。
当社の企業理念は「一人でも多くの笑顔を生むことにより社会貢献し全従業員の物心両面の幸福を追求する」で、2024年の重点取り組みは「おもてなし」です。「一人でも多くの笑顔」をおもてなしの徹底で達成していきたいと思っているため、人にしかできないことに業務を集中させたいです。食材価格高騰の影響も踏まえて値上げを行いましたが、現状ではお客様は減っておらず、おもてなしに付加価値を感じてもらっていると実感しました。売上の向上から従業員への賃金へも反映できるので、従業員の幸福にも繋がり、そこからまた人にしかできないことに集中してもらい、さらに価値を生むことでその分対価をいただき賃金も増えていくような生産性を上げるサイクルを構築していくことが理想です。外食業界は人手不足ですが、解消には採用の強化と離職率の低下ということの両面に対応するにあたり、発注も含めて人がやらなくていいことはAIに任せるなど、DXで生産性向上を実現します。

串カツ田中のDXの軸とは

顧客満足度向上(おもてなし、サービス向上)と生産性向上の2軸で考えています。モバイルオーダーなど店員を呼ばなくても注文できるサービスは、私自身は「お酒を飲んでいる時にスマホで注文か、面倒だな」と少し思ったこともあったのですが、実際に導入してみて店員を呼ばなくていい・待たないでいい状態で注文できることでストレスも減って助かっています。また、効率化された時間にトイレを綺麗に保つ、帰りがけにお見送りするなどおもてなしに関するマニュアルを徹底する基礎力を大事にすることができます。
生産性の向上については業務の属人性を排除することで1店舗にかける社員の数を現在2人のところを2店舗に1人など配置を変更することも見えてきます。それにより従業員の賃金向上にも繋がり、待遇の改善もより積極的にしていきたいです。

導入前の発注業務課題は「負担が大きい」、「予測の難易度が高い」

店舗では発注業務に毎日30分程度かかる上、発注忘れも発生していました。慣れてない店長はより時間がかかるし、品数も多いし、夜遅く疲れている時に対応するなど業務過多ですよね。また発注を忘れると、近隣店舗から借りたり、近所に買いに行ったりすると、行って帰ってくるだけで1時間程度かかってしまいます。発注量が適正でなければ食品ロスにも繋がるし、機会ロスも発生している可能性は往々にあると思っています。
また発注業務がちゃんとできるまでは人にもよりますが習得するには何ヶ月もかかります。毎日同じ数だけ頼めばいいということでもないですし。そういった業務負担や教育コストの高さなどの課題を解決しようと考えて「HANZO 自動発注」の導入を決めました。
代表店舗において必要とするデータ整備などは順調でしたが、全店舗に展開したときにAIが提案した発注量を各店長が修正する動きなどが見られました。発注に対する店長のこだわりが結構あって、多め・少なめに量を調整したいという感覚による手修正をしているなど少々対応が難しいところでした。

サービスの導入には導入目的を伝え続けることが重要

本部の中でも、店舗に対しても絶対必要なことが、DXの意義や必要性を伝え続けることです。店舗にかかる社員を減らしたい、給料を上げていくために生産性向上しないと達成できないというDXの目的を明確に伝えないと現場は慣れたやり方が楽と感じてしまいます。本部は理論で進めますが、使いこなしてもらうには将来も夢も現場に見せることが大事ですし、導入するだけではなく後追いも必要です。どの店舗がきちんと利用しているのかなどレポートを見て、使っていない店舗には確認をするなどフォローも重要だと感じています。

今後は生産性向上のさらなる対応と、食品ロスも意識する

現在は各店舗で発注管理をしてもらっていますが、仕込みの管理も重要だと思っています。毎日営業前までに仕込みをしますが、量はまだまだ勘に頼っています。仕込みをしてしまうと販売できなかったものは全て食品ロスになってしまうので、AIが量を計算してくれることを期待しています。
また決算の関係上、毎月1回は全ての在庫を確認する、いわゆる棚卸を行いますが営業終わりから数量を品目ごとに確認するため所要時間は2時間程度で、夜中になることもあります。在庫をHANZOシリーズで認識でき、それを監査法人にも証明できれば効率化できますし、現状では月に1回しかわからない在庫高も毎日出せるようになると思うので、そういった活用を期待しています。


◾️導入推進される本部からみる発注自動化ストーリー

本部から見る発注の課題

発注に関しては本部でも統制が取れていなかった部分は多いと思います。店舗で品切れの発生や買い出しが頻発するなどもあった時は「発注をきちんとしましょう」とか曖昧なことを伝えていました。その後、システムが持つ販売実績などから発注数を算出できるフォーマットを作成したこともありましたが、店舗ではパソコンを使うより経験や勘に頼る方が楽だし、本部も高頻度で発生するメニュー変更にフォーマットの更新が間に合わないなど、課題のあるやり方をしていました。
ロスについてもまずは毎日紙の一覧に記入する方式だったのですが、記入漏れをしてしまう店舗はあるし、書いていても原価の計算などもしなければいけない。こちらも本部がフォーマットを作成したのですがメニュー変更に間に合わないという同じ現象が発生して結局正しい数値を出しにくい状況でした。
そういった課題は店舗数が拡大すればするほど表面化していきました。例えば1店舗で3万円の余分な発注があったとして、100店舗であったら300万円に。当たり前ですけど相当なインパクトです。一方「HANZO 自動発注」を導入したら発注ができる店長は育たない、発注が学べないという意見もありました。ただ人手不足の側面で、労働人口が減少するなかで将来を考えた時に導入を決定しました。

DX施策の浸透

ツールの種別によらず、店舗に変化があるDXを浸透させていくことが本部の役割だと思います。実際、導入されてから一時期は成果が感じられない時期がありました。現在は新しい機能や仕様の追加がされて不安は解消されていますが、導入時は「HANZO 自動発注」がサービス開始された矢先で機能不足もあり、本当にAIが提案する発注量は本当に正確なのか信じられないという意見もあるなど、当初は店舗の不安が大きい状態であったかと思います。
また店舗で在庫を確認すれば「HANZO 自動発注」が発注してくれる、ということはゼネラルマネージャー・店舗に伝えているものの、振り返ってみれば本部が強く伝えきれていなかったとも思っています。現場で熱が入らないのは、本部に熱がないから伝わらないんだなと強く感じました。
DXって便利でかっこいい言葉ですが、勘と経験で対応してきた店長からすると変化は大変なんですよね。「他の店舗では発注の手間が大幅に減っている」などの成功事例を共有することや、評価の指標に組み込むなどの工夫で浸透が早まることはあります。
信じてやってほしい、というだけでは難しいですよね。信じた結果、発注をミスしたとなった場合、買い出しにいく、品切れしてお客様に指摘をいただく、ロスを出してしまうなど対応は全て店長です。そういったことを理解した上で、サービスを利用してもらうための店長のモチベーションアップへの対応は必要ですね。

本部が考える今後の活用

食材のロスについては、ロス減少や異常値の分析が見えてきました。本部ではさらなる施策への検討につなげることができます。
あと仕入れについては物流拠点を設けたので「HANZO 自動発注」の活用が進むことで倉庫の在庫適正量がわかる、配送回数が最適化される、倉庫のキャパシティ検討などさまざまな最適化に繋がります。店舗が対応してくれていることを本部が大きな対応に繋げていくことが期待されているので、我々も期待は大きく持っています。


◾️店舗からみる導入から活用

店長に必要なのは発注への意識改革

加藤店長:発注業務はずっと店舗での経験が重要でした。店長にもよりますが過去データを参考にロジカルに考える人もいるものの、最終的には担当店舗での経験で培った要素を加味します。また当初は紙に書いて計算していたので、やはり面倒だなと思うことはありました。当時の課題としては食材が足りない時に買い出しが発生することや、在庫を切らす、捨てるということが発生していたことですね。
AIによる自動発注サービスが導入されると聞いたときは天候や売り上げの傾向など不確定要素を考慮してくれるサービスは画期的で発注が楽になる未来が見えたので嬉しく思いました。
ただ「AI」という言葉が一人歩きしやすく、「AIが最初から全部やってくれるんだよね」と思いがちなんですけど、それは違うなと。まず店舗の情報や店長の考えをデータで覚えさせることでAIが学習するので「もう一人の発注を完璧に行う店長を作る」ことが重要です。
さらに、今までの「発注量をどうにか算出する発注」とは異なる概念で、店舗の実在庫と「HANZO 自動発注」が計算している理論在庫を合わせること=発注業務、とするという意識を持つことが大切で、アルバイトしかいない状態の時も「HANZO 自動発注」の持つ在庫情報を合わせることだけ徹底してもらいました。

2024年2月中旬に新規オープンする店舗に配属になり、オープン当初は本部が販売見込みから数量を決めて発注したものが店舗に到着したのですが、在庫を保管する場所が足りないくらいの量でした。その後「HANZO 自動発注」が学習したことで、2〜3ヶ月で在庫の保管場所は見違えるほどすっきりし、消費期限切れなどは一切ない状況です。
確かにこれまでと同じように勘と経験で発注業務をやる方が、新しいことを覚えるよりラクであるというイメージもありますし、慣れるまでは大変なこともあります。ただ、30分程度かかっていた発注は最近では30秒で終わることもあります。在庫を少し確認するだけで終わるので、その効率化された時間はアルバイトの教育や他の業務に使えます。時間を有効活用して、店舗運営の本質的な部分に時間をかけれることには大変満足しています。

複数店舗を統括する役割(ゼネラルマネージャー)から見るDXツール浸透への道

井口ゼネラルマネージャー:加藤店長は、最初から新しいサービスに抵抗がなく、導入がスムーズでした。ただ、加藤店長のように新しいことに対しての受け入れが早い店長もいれば、受け入れるのが苦手な店長もいます。実際、自分の管轄エリア全体へ、利用を促進していくことには当初不安がありました。エリア全体へ導入するにあたり、まずは私自身がサービスを理解することから始め、わからないことはGoalsのご担当者様や加藤店長にも聞いて、管轄エリアの店長の疑問を解消・使用方法のアドバイスも行いました。しかし、やはり実際の使用者である店長に対して、日ごろ使っていない私たちゼネラルマネージャーが「使ってほしい」と言うだけでは利用の促進、浸透には今一歩でした。そこで加藤店長が作成した資料で、エリアでの説明会を実施してもらうなどの施策を行ったことで一気に浸透しました。

今では全店での会議でもその資料を使用しており、実際の使用者の成功体験を共有することは重要だと実感しています。Goalsのご担当者様から案内があった資料の内容とは違いはなかったのですが、同じ内容でも自分と同じ環境にいる人が伝えると、言葉の使い方やリアリティが違うので、そう言った点も社内で受け入れられて理解促進に繋がりました。
せっかくお金をかけてサービスを導入しているので、投資を無駄にしないためにも使い倒すことが大事です。そのサービスを理解することが、投資価値を高める一歩であることを実感しました。

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